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【医師が解説】飲酒と体重管理 ── お酒を飲みながら太らない選択は可能か

2026 5/11
予防医療 食事栄養
2026年5月10日2026年5月11日
AFRODE CLINIC について
インタビュイー紹介
道下将太郎 医師

脳神経外科医 / AFRODE CLINIC 院長 — 道下 将太郎

2015年、東京慈恵会医科大学を卒業し、同大学病院で勤務。クリニックでは経営者や著名人など日常生活で高負荷を抱える人々に、薬に頼らない効率的な回復・予防医療を提供。科学的根拠に基づく安心安全な製品を提供するブランド「SECRET RECIPE」をプロデュースし、添加物不使用の食品やサプリメントを開発している。

「お酒を飲むと太る」とよく言われますが、医学的にはどのような仕組みなのでしょうか。AFRODE CLINIC代表 道下将太郎医師に、アルコールと代謝の関係、選び方、つまみの選択、休肝日の意義まで伺いました。

記者本日は「飲酒と体重」というテーマでお願いします。

道下医師よろしくお願いします。お酒は完全否定もしないですし、推奨もしないというのが私のスタンスです。「飲むなら賢く飲む」という現実的な選択肢を提示できればと思います。当院は経営者の方が多いという特性もあって、「会食は仕事の延長で減らせない」というお話を頻繁に伺います。完全禁酒でなく、いかに賢く付き合うか、というアプローチが現実的なんですね。

目次

目次

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  • Q1. なぜお酒を飲むと太るのですか?
  • Q2. 太りにくいお酒の選び方はありますか?
  • Q3. お酒の「適量」とはどれくらいですか?
  • Q4. 休肝日は本当に必要ですか?
  • Q5. お酒のおつまみの選び方を教えてください。
  • Q6. ノンアルコール飲料の活用はどうですか?
  • Q7. お酒を飲んだ翌日のリカバリーは?
  • Q8. アルコール代謝に関わる栄養素はありますか?
  • Q9. 飲酒量を減らすコツはありますか?
  • Q10. 最後に読者へのメッセージをお願いします。

Q1. なぜお酒を飲むと太るのですか?

記者飲酒で太るメカニズムを教えてください。

道下医師大きく3つの要因があります。1つはアルコール自体が高カロリーであること。1g7kcalで、糖質や脂質より高めです。ビール500mlで200kcal前後、ワイングラス1杯で100kcal前後あります。

2つ目は肝臓がアルコール処理を優先するため、その間は脂肪燃焼がストップします。お酒を飲んでいる時間帯は脂肪が燃えにくくなる、と言ってもいいですね。3つ目は、つまみの選択。アルコールは食欲増進と判断力低下を促すので、揚げ物・締めのラーメンに走りがちなのも体重増加の大きな要因です。

Q2. 太りにくいお酒の選び方はありますか?

記者お酒の種類で太りやすさに違いはありますか?

道下医師あります。ザックリ分けると、糖質を含まない蒸留酒(ウイスキー・焼酎・ジン)のほうが、糖質を多く含む醸造酒(ビール・日本酒・甘いカクテル)より太りにくいです。

ただし、それでもアルコール自体のカロリーは高いです。「焼酎なら飲み放題で太らない」というのは誤解。量と頻度の話です。適量を守る大原則は変わりません。

Q3. お酒の「適量」とはどれくらいですか?

記者1日の適量の目安は?

道下医師厚労省の指針では1日純アルコール20g以下が「節度ある適量」とされています。これはビール中瓶1本(500ml)、日本酒1合、ワイングラス2杯弱、ウイスキーダブル1杯くらいです。

女性は男性の半量〜2/3程度が目安。アルコール代謝能力は男女で差があり、女性の方が肝臓への負担が出やすいんですね。ただ、当院に来られる方の中で実際にこの範囲で収まっている方は意外と少ない、というのが本音の現場感です。会食が多い方は、気づかないうちに週で純アルコール200gを超えていた、というケースも珍しくありません。

Q4. 休肝日は本当に必要ですか?

記者休肝日の医学的根拠は?

道下医師はい、必要です。連日飲酒は肝臓・膵臓・脳への影響が蓄積します。週に2日以上の休肝日を設けることが推奨されています。

休肝日を作るメリットは肝臓の回復だけでなく、「飲まない選択肢が当たり前になる」こと。飲酒を「習慣」から「選択」に戻すための重要なステップです。「今日は飲まなくてもいい」という日が普通になると、自然と総量も減ります。

Q5. お酒のおつまみの選び方を教えてください。

記者つまみの選び方の原則は?

道下医師大事なのは3つの軸です。

  • タンパク質を確保

    枝豆、刺身、焼き鳥(塩)、冷奴、卵料理。アルコール代謝に必要な栄養素も含まれます。

  • 食物繊維を入れる

    野菜スティック、海藻サラダ、お浸し。アルコールと糖の吸収を緩やかに。

  • 揚げ物・甘いものは避ける

    揚げ物のカロリーとアルコールが組み合わさるとダメージが大きい。締めのラーメンも要注意。

Q6. ノンアルコール飲料の活用はどうですか?

記者ノンアルコール飲料についてはどうお考えですか?

道下医師賢い使い方だと思います。「飲み会に行くけど飲みたくない」「2杯目以降を抑えたい」というシーンでノンアルコール飲料を使うのは、社交を保ちつつアルコール量を抑える、現実的な選択肢です。

ただし注意点として、ノンアルコールでも糖質や人工甘味料を多く含む製品があります。原材料表示を確認して、できるだけシンプルなものを選んでください。

Q7. お酒を飲んだ翌日のリカバリーは?

記者飲んだ翌日のリカバリーは何を意識すれば?

道下医師3つあります。水分補給、タンパク質確保、軽い運動。アルコールで脱水になるので、水・お茶・スポーツドリンクを意識して飲んでください。タンパク質は肝臓のリカバリーに必要で、卵料理や納豆、プロテインドリンクなど消化に軽いものを朝に。

軽い散歩程度の運動も代謝を促進します。ハードな運動は逆に肝臓への負担になるので避けてください。私自身も会食の翌朝はジムを軽めに切り替えるか、お休みすることもあります。無理は禁物です。

Q8. アルコール代謝に関わる栄養素はありますか?

記者アルコール代謝を助ける栄養素は?

道下医師主要なものとして亜鉛・ビタミンB群・マグネシウムがあります。亜鉛はアルコール脱水素酵素の補因子なので、慢性的に飲酒する方ほど不足しがちです。ビタミンB群はアルコール代謝そのものに必要で、特にB1欠乏は脳神経への影響もあります。

食事で意識するなら、カキ・牛肉・ナッツ(亜鉛)、豚肉・玄米(ビタミンB1)、海藻・大豆(マグネシウム)。よく飲む方は、これらを意識的に食卓に入れると、リカバリーが楽になります。

亜鉛・マルチビタミン

SECRET RECIPE シリーズ

飲酒頻度の高い方の栄養補助として、AFRODE CLINICでご案内するサプリメント。血液検査の結果に応じて必要な方に必要な量を提案します。

※詳細はクリニック受診時にご案内します

Q9. 飲酒量を減らすコツはありますか?

記者飲酒量を意識的に減らす方法は?

道下医師3つの実践的なコツがあります。1つは「水のチェイサーを必ず置く」。お酒1杯につき水1杯を交互に飲むと、自然とペースが落ちます。

2つ目は「最初の1杯までの時間を長く取る」。乾杯後すぐに飲み干さず、ゆっくり会話を楽しむ。3つ目は「1時間に1杯ペースを守る」。これだけでも、飲み会全体の総量はかなり下がります。「飲まない我慢」より「飲み方を変える」ほうが、結果的に続きやすいんです。

Q10. 最後に読者へのメッセージをお願いします。

記者最後にメッセージをお願いします。

道下医師お酒は人生の楽しみの一つですから、ゼロにする必要はありません。ただし、「適量・休肝日・賢いつまみ・翌日のリカバリー」という4本柱を押さえれば、お酒を楽しみながら体型と健康を維持することは十分可能です。

気になる方は、肝機能の血液検査(AST/ALT/γ-GTP)で現状を把握してみてください。AFRODE CLINICでは肝機能・栄養素の不足を含めた予防医療検査で、現在のお酒との付き合い方が体に与えている影響を客観的に確認できます。数字を知ることで、ご自身に合った飲酒の頻度・量が見えてきます。今日のお話が、お酒との健全な付き合い方を考えるきっかけになれば嬉しいです。

参考文献

  1. Wood AM, et al. Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599912 current drinkers in 83 prospective studies. Lancet. 2018;391(10129):1513-1523.
  2. Yeomans MR. Alcohol, appetite and energy balance: is alcohol intake a risk factor for obesity? Physiol Behav. 2010;100(1):82-9.
  3. Lieber CS. Relationships between nutrition, alcohol use, and liver disease. Alcohol Res Health. 2003;27(3):220-31.

予防医療コラム ── 8回シリーズ

  1. 第1回: 朝食と血糖値 ──「食べない選択」が体に与える影響
  2. 第2回: 睡眠とエネルギー代謝 ── 寝不足で太るのは本当か
  3. 第3回: タンパク質の選び方 ── 動物性と植物性、どちらを選ぶべきか
  4. 第4回: 40代以降の代謝変化 ──「同じ食事量で太る」にはワケがある
  5. 第5回: ダイエットの基本原則 ── 流行に振り回されないための7つの軸
  6. 第6回: 予防医療医の一日 ── 道下将太郎医師の朝・昼・夜
  7. 第7回: 運動と減量 ──「やせるための運動」の正解は何か
  8. 第8回: 飲酒と体重管理 ── お酒を飲みながら太らない選択は可能か(この記事)
予防医療 食事栄養
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