
「職場の同僚が産休に入るので、お菓子を贈りたい」
「妊娠中の友人に会いに行く。手土産は何がいいんだろう」
妊婦さんへのプレゼントに、お菓子は気軽で選びやすい贈りものです。一方で、「妊娠中は食べられないものがあると聞くけれど、お菓子は大丈夫?」と迷う人も多いのではないでしょうか。
今回は AFRODE CLINIC 代表医師・道下将太郎先生に、妊婦さんにお菓子を贈るときの気づかいを聞きました。
Q1. 妊婦さんにお菓子を贈るとき、まず気をつけることは?
記者妊婦さんにお菓子を贈るとき、まず何に気をつければいいでしょうか。
道下医師「いちばんわかりやすいのは、お酒です。妊娠中はお酒を飲まないことが基本で、厚生労働省も妊娠中・授乳中の飲酒はしないよう呼びかけています。お菓子の中には洋酒を使ったものがあるので、贈る前に確認しておくと安心です。
そのほかに、カフェイン、日持ち、量。この4つを意識しておけば、大きく外すことはないと思います。」
Q2. 洋酒入りのお菓子かどうかは、どう見分ける?
記者見た目では、洋酒が入っているかどうかわかりませんね。
道下医師「原材料表示を見てください。“洋酒”“ラム酒”“ブランデー”“リキュール”“酒”などと書かれていれば、お酒が使われています。ブランデーケーキやラムレーズンを使ったお菓子、洋酒をしみ込ませたパウンドケーキなどは、とくに確認したいですね。
焼き菓子だからアルコールはとんでいるはず、と考えがちですが、加熱のしかたや加えるタイミングによっては残ることがあります。お店で買うときは、表示を見るか、店員さんに“洋酒は使っていますか”と聞くのが確実です。」
記者洋酒が入っていないものを選べば、それで十分ですか。
道下医師「贈る側としては、それでかなり十分だと思います。どこまで気にするかは妊婦さんご本人によって違うので、あとは本人が選べるように、原材料がわかる形で渡すことが大切です。」
Q3. チョコレートや抹茶のお菓子は、避けたほうがいい?
記者チョコレートの詰め合わせは定番ですが、カフェインが気になります。
道下医師「チョコレートや抹茶、コーヒー味のお菓子にはカフェインが含まれます。ただ、少し食べる程度であれば、コーヒーを1杯飲むのに比べて量は多くないことがほとんどです。
食品安全委員会は、カナダ保健省が妊娠中の女性のカフェインを1日300mgまでとしている例を紹介しています。コーヒーやお茶を控えている人にとっては、お菓子も含めて調整したいところなので、チョコレートだけの詰め合わせより、いくつかの種類が入ったものを選ぶと、本人が選びやすくなります。」
Q4. 日持ちや量は、どのくらい気にすればいい?
記者日持ちについては、どうでしょうか。
道下医師「妊娠中は、食中毒にふだん以上に気をつけたい時期です。生クリームを使ったケーキなど日持ちのしない生菓子は、すぐに食べられる場面でなければ避けたほうが無難です。
また、体調によっては、もらってすぐに食べられないこともあります。常温で保存できて、ある程度日持ちする焼き菓子は、贈りものとして使いやすいですね。」
記者量はどうですか。
道下医師「大きな箱より、個包装で少しずつ食べられるもののほうが喜ばれることが多いと思います。妊婦健診で体重の増え方を見ている人もいるので、自分のペースで食べられることが大切です。」
Q5. つわりの時期に贈るときは?
記者妊娠初期でつわりがある時期に会う、という場合もあります。
道下医師「つわりの時期は、においに敏感になったり、食べられるものが日によって変わったりします。香りの強いお菓子や、こってりしたものは負担になることがあります。
この時期は、無理に食べものを贈らなくてもいいと思います。“落ち着いたら食べてね”と日持ちするものを渡すか、食べもの以外のプレゼントにするのも一つの方法です。」
Q6. 産後・授乳中の人に贈るときは?
記者出産のお祝いでお菓子を贈る場合はどうでしょう。
道下医師「授乳中も、アルコールは控えるよう呼びかけられています。洋酒入りのお菓子を避ける、という考え方は妊娠中と同じです。
産後は赤ちゃんのお世話で時間がとれないことが多いので、片手で食べられる個包装のもの、常温で日持ちするものは喜ばれると思います。」
Q7. 贈るときに、ひと言添えるとしたら?
記者最後に、贈るときの気づかいを教えてください。
道下医師「“洋酒は入っていないものを選んだよ”とひと言添えると、受け取る側は安心して手に取れます。原材料がわかるように、商品のしおりや表示を一緒に渡せるとなおよいですね。
食べものの好みや、気にしていることは人それぞれです。親しい間柄なら、“食べられないものはある?”と事前に聞いてしまうのも、立派な気づかいだと思います。」
編集部より|洋酒を使わない味がある焼き菓子のギフト
最後に、編集部から一つご紹介です。
南青山のカフェ「L for You(エルフォーユー)」の焼き菓子は、卵・乳製品・小麦粉を使わずにつくられています。オンラインショップから、焼き菓子をギフトとして贈り先へ直送することもできます。原材料の選定と製法の設計には、AFRODE CLINIC が監修として関わっています。
洋酒について、L for You のドーナツとクッキーにはラム酒を使っていません。一方、パウンドケーキ3種(バナナ・チョコチップバナナ・ドライイチジクとクルミのココア)とアップルタルトにはラム酒を使っています。ココアやチョコレートを使う味もあります(2026年10月時点の原材料)。贈るときは、商品ページの原材料表示で味ごとに確認してください。
※小麦粉は使用していません。厨房で小麦を扱うことはありません。卵・乳製品も使用していません。ただし、原材料がつくられる場所の近くで卵・乳製品・小麦を扱っている場合など、原材料由来の微量の混入(コンタミネーション)までは否定できません。
※クルミ・アーモンドなどのナッツや、大豆を使用している商品があります。
※原材料は商品ごとに異なります。ご購入の前に、各商品ページの原材料表示をご確認ください。
参考文献
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)
- 食品安全委員会「食品中のカフェイン」(ファクトシート・Q&A)
- 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」(2021年)
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)
